◆原作者の時雨沢恵一先生からコメントをいただきました!

『アリソンとリリア』公式サイトをご覧の皆さんこんにちは。原作者の時雨沢恵一です。
  今回はこうして、"特別頼まれてもいないのに"コメントを書いています。月末締め切りの本業の小説執筆が全く進まないのがその理由ではありません。そんなことはありません。全然違いますよ。

 アニメ版『アリソンとリリア』、いよいよ来月――放送開始です。
  時雨沢はドキドキワクワクが止まりません。今からテレビの前で寝袋にくるまって寝ながら待ちたいくらいですが、本業の執筆が進まないと編集さんにここではとても書けないような怒られ方をするのでそれはできません。

 すでに、一話のアフレコ(声の録音)には立ち会わせていただきました。
 まず、錚々たる顔ぶれの声優さん達に感激しました。あまり声優さんに詳しくない私でも、主役級の皆さんは、かつてどこかで声を聞いた覚えがあります。
 アリソン役の水樹奈々さんの歌を私はカラオケで歌いますし、ヴィル役のくまいもとこさんは、『カードキャプターさくら』で何度声を聞いたことでしょう。ベネディクト役の山寺宏一さんは、好きなキャラが多すぎて書ききれません。そして"嘘つき老人"役の××××さん。まだ発表できない段階だと思いますので伏せ字にさせていただきましたが、リストに名前を見たときは背筋が震えました。その後に声を聞いてまた震えました。
 目の前でアニメの声が生まれて吹き込まれていくというのは、歌手のライブのような臨場感と生々しさがあります。放送一話を見ながら私は、その時のことを思い出すでしょう。
 余談ですが時雨沢も、読者の皆さんを集めてその前でライブで小説を書いたらどうだろうと思いました。思いましたが、汗くさい寝巻きのままキーを叩いたり、時々ウーロン茶をラッパ飲みしたりしていることなど誰にも知られたくないのでやっぱりやりません。なんでそんなこと思いついたんでしょう?

 そしてアフレコの時に見た、動く映像にも感動しました。アニメのキャラとして、金髪を翻して動くアリソンの格好いいこと。そしてヴィルの可愛いこと。――なんかヒロインとヒーローが逆な気がしますがさておきます。
 コンピュータグラフィックスで描かれる飛行機にも、思わず顔がにやけました。実在の飛行機をモデルにしたCGは格好良く、飛行シーンでは注意して見るとエルロン(翼の脇のパーツ)が微妙に動いているという芸の細かさです。スタイリッシュなスー・ベー・イル軍水上戦闘機のアニメ用デザインもすでに見させてもらっています。この先にある空中戦のシーンが楽しみでなりません。

 原作者の立場から最初に言わせてもらえれば――アニメは、小説とは違います。
  時間や見せ方の違いなどの都合で、小説そのままがアニメになるわけではありません。でも、アニメには小説には絶対にない、"動き"と"声"と"音"が加わります。この差は、とても大きいです。
  すでに小説を知っている読者の皆さんには、どうアニメになり、どう変わって、どう変わらなかったのかを是非確かめてもらいたいと思います。
  小説未読の方には、アニメで描かれたシーンが、原作小説ではどうなっていたのか、またどんな追加をされた、また描かれなかったシーンがあるのかに興味をもってもらえたら、より楽しめますよとオススメしておきます。

 これから半年の間――、毎週木曜日夜はアリソンとヴィルの、そしてリリアとトレイズの冒険をお楽しみ下さい。
 あなたが放送直前にテレビをつけたとき、時雨沢は日本のどこかで、正座しながら、ワクワクしながら放送時間を待っていることでしょう。

二〇〇八年 三月 時雨沢恵一

>>戻る

(C)時雨沢恵一/アスキー・メディアワークス/「アリソンとリリア」製作委員会